テレビにデジカメ、身近な家電の電子デバイスの仕組み|あっとデバイス

高精細テレビの時代がやってくる?高精細テレビの現状を解説

高精細テレビの時代がやってくる?高精細テレビの現状を解説

 

高機能化・多機能化が進むDVD-HDDレコーダの内部は、まさにビットストリーム競技会。その闘いも、次世代型のスタジアムへと移ろうとしている。キーワードは「ハイビジョン」だ。

高精細テレビ時代の幕開け

国際的なスポーツイベントは新しいAV機器普及の格好の契機としてとらえられる。そして今、本格的な盛り上がりを見せているのが、HDTVマーケットだ。トップレベルの競技会、記録と伝説の生まれる瞬間を迫真のHDTV映像で見られるのだ。  

HDTVとはHigh Definition Televisionの略で、日本語では「高精細テレビ」または「高品位テレビ」と言う。一般的には「ハイビジョン」という言い方のほうがなじみ深いが、これはもともとはNHKの開発したアナログ時代の高画質化方式を指す呼称であったが、デジタル時代になってもHDTVを指す言葉として使われるようになっている。現在では高精細画像そのものをハイビジョンあるいはデジタルハイビジョンと表現することも定着しつつあるようだ。アナログ時代からの飽くなき高画質への夢が今、デジタル家電で実現する。  

HDTVは、画素数を現行のテレビより大幅に増やすことで、高画質で鮮明な映像を実現したものだ。画面の縦横比も現行の横4:縦3から、横16:縦9の横長のサイズになるが、このワイドな縦横比は映画を見るのにも適している。家庭で視聴するビジュアル機器としては、非常にリアルできれいな画像を楽しむことができるのがHDTVである。

現行のTVがHDTVに移行してデータ転送速度が高速化していくと、記録側のHDDと光ディスクにも、より速いデータ転送速度が要求される。

当然のことながら、情報量の多いHDTVの伝送速度は現行より格段にアップする。非圧縮のリアルタイムでの伝送速度は現行テレビで100Mbpsと言われている。対してHDTVは1.2Gbpsと、10倍以上だ。録画するときには、MPEG2という方式を使って圧縮するが、それでもその差は10倍近い。伝送速度がこれほど速いということは、記録するディスク(メディア)側も当然のことながら高速化していかなければならない。  

また、ビットストリームが10倍高速になるということは、時間当たりのビット消費量が10倍になる、つまり同じ時間での録画・再生に要する記憶容量も10倍必要になるということである。HDTV時代には速度と容量の両面でこれまでとは違う次元の、新しい競争が始まるのである。 すでにセットメーカー各社とも「ハイビジョン放送をそのまま高画質で録画・再生」とうたったハイエンド機種を発売している。「ハイビジョン録画機器市場」と呼ばれる、注目のマーケットだ。

高精細をそのまま残すための高精細テレビの技術

HDTVは非常にきれいな画像を楽しむことができるのだから、同じレベルできれいに録画できなければ意味がない。当たり前のことだ。この"当たり前"を可能にするために、DVD-HDDレコーダに搭載されているDVDドライブとHDDには大きな進化が求められる。  

従来、年率100%で記録密度が伸びていたHDDだが、ここ何年かは30%程度に落ちていた。それが、ブレークスルーされようとしている。今話題となっている垂直記録の実用化だ。  TDKでは再生ヘッドにTMR(トンネリング磁気抵抗)素子を、記録ヘッドにはPMR(垂直磁気記録)素子を組み合わせたヘッドを開発。先頃のテクノフォーラムでも、150Gビット/(インチ)2のヘッドが展示され、熱い視線を集めていた。  

一方、DVDドライブについては青紫レーザを光源に用いた次世代ディスクが注目を集めており、やはりテクノフォーラムでTDKは世界初の片面100Gという片面4層のディスクをプレゼンテーションした。また、青紫レーザのディスクに対応したドライブに搭載される光ピックアップヘッドも開発し、展示。青紫レーザディスクの広がりに大きな期待を抱かせた。  

そもそも次世代光ディスクは、HDTVのための存在である。先にHDTVの画面の縦横比は映画に適していると紹介したが、まさに家庭で高画質の映画を楽しむには、長い映画も楽々記録できる次世代光ディスクがぴったりだ。例えば2時間もののハイビジョン映画を収録するには、20Gバイト以上の容量と30Mbps以上の転送速度が必要となるが、これは現行のDVDでは無理で、次世代光ディスクでなければできないのである。

高精細テレビによって放送はハイビジョン化、一般家庭へも普及

HDTVによって放送がハイビジョン化し、受信側のディスプレイも当然対応してハイビジョン化する。パッケージメディア、すなわち映画などのコンテンツもハイビジョンでの供給が当たり前となっていくだろう。  

さらにホームビデオもハイエンド機ではハイビジョン対応が進んでおり、見るだけでなく、ハイビジョンで録ってハイビジョンで保存する、という楽しみも生まれてきた。まさに家庭の映像環境が一気にすべてハイビジョン化しつつあるのが現在なのである。  これから新たに繰り広げられるハイディフィニションレベルの競技会の場でも、TDKの高密度磁気記録技術と青紫レーザディスク技術が記録更新をもたらす。  

現実のスポーツの世界では、国際的なアスリートを目指すには幼い頃からトレーニングを積むことが不可欠だろう。それと同じようにTDKは、素材技術、薄膜技術に磨きをかけ、蓄積してきた。その優位性“Winning Technology”が、新しい闘いにおいては大いに発揮されるはずである。

HDTV化されたDVD-HDDレコーダは、スピードと容量を競う種目が凝縮された新たな競技場となる。

TDKは磁性技術で世界をリードする総合電子部品メーカーです

TDKについて

PickUp Tagsよく見られているタグ

Recommendedこの記事を見た人はこちらも見ています

テレビにデジカメ、身近な家電の電子デバイスの仕組み|あっとデバイス

第5回 高精細・高画質化の波を受けるカメラの世界 DSC/DVC

テレビにデジカメ、身近な家電の電子デバイスの仕組み|あっとデバイス

第6回 携帯音楽プレーヤ 全ライブラリをポケットに街へ

テクノロジーの進化:過去・現在・未来をつなぐ

AR・VRとは?エンターテインメントのあり方を変えるその魅力

PickUp Contents

PAGE TOP