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バスケットボールのジャンプ力を上げる筋力と酸素の関係

バスケットボールは1891年にアメリカで考案されたインドアスポーツ。ベースボール、アメリカンフットボール、アイスホッケーとともに、アメリカを代表する4大プロスポーツとして圧倒的な人気を博しています。世界的にも競技人口が多く、4年に1度、FIBA(国際バスケットボール連盟)が主催するバスケットボール・ワールドカップが実施されています。
激しく動き回り、すぐれたジャンプ力も必要なバスケットボールのプレーには、瞬発力をになう無酸素運動と、持久力をになう有酸素運動の双方を組み合わせた適切なトレーニングが求められます。

バスケットボールのジャンプ力を高める筋力の種類

バスケットボールのプレーヤーは筋肉隆々タイプよりもスラリとした長身タイプが多いようです。バスケットボールのプレーに求められるジャンプ力は、脚の筋肉だけではなく、上体の筋肉も大いに関係しているからです。つまり、全身をバネとすることでジャンプ力が増すのです。試してみればわかりますが、脚の筋肉だけで垂直跳びをしてみても、思ったほど高く跳べません。 垂直跳びの能力は20歳あたりをピークとして、徐々に衰えてきます。バスケットボールのゴールのリングの高さは305cm。ボールを上から叩き入れる華麗で豪快なダンクシュートをこなすには、身長にもよりますが、助走つきで最低でも1m以上のジャンプ力が要求されます。垂直跳びのギネス記録は122cmですが、助走をつけると指先がバックボードの上端(395cm)を超える驚異的なジャンプ力をもつ選手もいます。

筋肉のパワーは断面積と長さによって決まり、断面積はトレーニングによってアップできます。ただし、筋肉には速筋(白筋)と遅筋(赤筋)の2種類があります。速筋は瞬発力やジャンプ力を生みますが、スタミナに欠けて疲労しやすいという性質があります。一方、遅筋は、それほどパワーはないものの持久力に富みます。サラブレッドの筋肉はほとんどが速筋で、マラソンなどの長距離ランナーは遅筋が発達しています。これはまた、白身魚(海底などに棲むヒラメやカレイなどの底魚)と赤身魚(カツオ、マグロなどの回遊魚)の筋肉の違いでもあります。速筋と遅筋の最適バランスはスポーツごとに異なるので、身長やフィジカルを配慮に入れながら、筋力トレーニングのあり方も考えなければなりません。

筋力を高めるトレーニングの種類と運用

体力を向上させようとして、いきなり激しい運動をすると筋肉を傷めてしまうこともあります。運動不足の人にとって手軽に始められるのはウォーキングです。ウォーキングは持久力に関わる遅筋を使う運動で、体内の代謝でいうと有酸素運動と呼ばれるタイプです。呼吸を高めて酸素を積極的に血液中に取り入れ、代謝をさかんにする運動法で、エアロビクスもこの考え方にもとづきます。 このため、従来、体力の衰えた中高年にはウォーキングなどの有酸素運動が推奨されてきました。しかし、有酸素運動だけでは瞬発力に関わる速筋はきたえられず、筋肉量も減ってきます。そこで、近年は中高年にも速筋をきたえる無酸素運動のトレーニングが取り入れられるようになっています。速筋をきたえることによって瞬発力が高まり、動きも機敏になって、つまずきや転倒といった事故も防止できるというメリットもあるからです。

健康志向の高まりとともに、「メタボリック・シンドローム」 という言葉はすっかりポピュラーとなりましたが、これは内臓脂肪の蓄積により、さまざまな生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症、動脈硬化など)が引き起こされた状態のことです。原因は食べすぎと運動不足です。ウエストまわりが男性で85cm以上、女性で90cm以上あると、内臓脂肪型肥満の疑いがあるといわれますが、速筋をきたえる無酸素運動はグリコーゲンをエネルギーとし、体内の脂肪を燃焼してくれません。とりわけ、内臓脂肪はなかなか落とせません。体力アップをはかりながら内臓脂肪も効果的に減らすには、無酸素運動と有酸素運動の双方を組み合わせた運動が求められるのです。

フェライトの特性を決める酸素の働き

TDKのコアテクノロジーの1つは素材技術。TDK創業の原点であるフェライトは、トランスコアやアンテナコア、積層インダクタ製品、EMC対策部品など、今日のエレクトロニクス社会に不可欠の電子材料となっています。フェライトは酸化鉄を主成分とする原料粉末を成型・焼成して製造される電子セラミックスです。原料に添加される微量成分のほか、焼成温度や焼成雰囲気(焼成物をとりまく気体の種類)によっても特性が大きく変わってくるため、高度な焼成コントロール技術が求められます。
フェライトの焼成は徐々に温度を上げながら反応を進め(昇温部)、数時間一定温度を保って結晶粒を成長させたのち(安定部)、徐々に温度を下げていきます(徐冷部・冷却部)。フェライトが無限の可能性を秘める電子材料といわれるのも、焼成条件のコントロールしだいで、多種多様なフェライトが得られるからです。フェライトの磁気特性に大きく関わるのは、酸素の含有量で、これは焼成するときの酸素の濃度により左右されます。しかし、適切な酸素濃度は温度によって異なるため、いかに適切に温度と酸素濃度をコントロールして焼き上げるかがポイントになってきます。
電子機器の省エネと小型化要求のさらなる高まりとともに、電源トランスなどのコアとして使われるパワーフェライトにも、低損失と小型化が求められています。TDKはフェライト焼成工程における温度と酸素濃度の両方を精密にコントロールすることで、従来材を大きく上回る低コアロス化と高 Bs(飽和磁束密度)化を達成。PC90材をはじめとする画期的なパワーフェライトを次々と開発してきました。材料設計はもちろん、長年にわたり蓄積してきた焼成工程の精密コントロール技術は、他社の追随を許さないTDKの強みとなっています。

パワーフェライトPC95材

スイッチング電源のトランスなど、大電力をあつかうパワーフェライトにおいては、エネルギー変換効率を高めるための特性が強く求められます。広温度帯域での低コアロス化の最適特性を極限まで追求して実現したのがTDKのパワーフェライトPC95材。ますます高まる省エネ・小型化・軽量化ニーズに応える画期的な材料です。

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