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[No.1 ハンマー投げ] ハンマー投げとはどんな競技?筋力とテクニックが生み出す放物線

ハンマー投げとはどんな競技?そのルーツや砲丸投げとの比較、ハンマーの長さや重さ、ハンマーを加速させるリズミカルなターンなど

7kgもの重い鉄球が、なぜ80m以上も飛ぶのか?

ハンマー投げは木の柄(え)のついた重い鉄塊を投げて、その距離を競うスコットランドの伝統スポーツに由来します。しかし、そのルーツははるか有史以前から、狩猟道具あるいは武具として使われてきた“スリング(投石ひも)”といわれます。これは帯ひものような道具に石を入れて頭上で振り回し、加速されたところで手を離して石を飛ばす道具です。有名なミケランジェロのダビデ像で、左肩にかけているのは、このスリングです。熟練すると100m以上も飛ばすことができ、弓矢をしのぐ威力がありました。

陸上競技のハンマー投げでは、丈夫なピアノ線でつながれた金属球とグリップ(把手)全体をハンマーと呼びます。

ハンマーの重さは砲丸投げの砲丸の重さと同じで、男子7.26kg、女子4.00kgです。競技場では砲丸投げと同様に、2.135mの狭いサークル内から投てきします。男子砲丸投げの世界記録は23.12m(R・バーンズ、1990年)ですが、ハンマー投げはその3倍以上の86m74(Y・セディフ、1986年)にも及びます。この差は約1.2mのピアノ線でつながれた金属球を大きく振り回して加速させることによります。まず鉄球を数回スイングしてから身体をターン。鉄球に遠心力を与え、3〜4回転のターンを繰り返して十分に加速したのち、グリップをはなして投げ放ち、最後は体勢を整えてファウルを防ぎます(リカバリ)。これがハンマー投げの一連の動作 です。

ハンマーを加速させるリズミカルなターン

ハンマーの加速には全身の筋力が利用されます。これはボウリングを考えてみればわかります。ボウリングでは重いボールの動きにあわせて身体を運び、全身の筋肉のエネルギーをボウルに移してスピードを与えています。ハンマー投げもまた、ただ腕力にまかせて振り回すだけでは距離は伸びません。
下図のように、ハンマーの加速はターンの動作に合わせてリズミカルにおこなわれます。身体をターンさせると、ハンマーは身体のターンを追いかけるように遅れた状態で回転します。そこで、ターンしながら全身の筋肉でハンマーを巻き上げるようにして加速し、最後は全身の力をハンマーに移して投げ放ちます。ハンマーの飛跡はターンの過程で選手の脳裏にイメージとして描かれ、最適のタイミングと投射角で空中に放たれます。筋力、テクニック、そしてイメージ力の三拍子がそろったとき、ハンマーは80mラインを超える雄大な放物線を描きます。

小さくても力持ち、HDDの小型化に貢献する ネオジムマグネット

重いハンマーを振り回すと、人体のほうも振り回されてふらつきます。一流選手のフォームが美しいのは、このふらつきをターンとステップによってうまくコントロールしているからです。工作機械や自動車エンジンといった回転機構をもつ機器でも、いかに振動を低減するかが重要な技術課題となっていますが、このやっかいな振動を逆利用しているのがスマートフォンなどのバイブレータです。マナーモードのブルブルという振動は、小型モータに取り付けた偏心おもりの回転によるものです。重心が回転軸からずれているため、モータ本体を振り回すような力が働き、それが振動となって機器本体を震わせます。このモータは直径数mmの超小型モータで、内部のマグネットには永久磁石として最強のネオジムマグネットが利用されています。

ネオジムマグネットの主要な用途の一つは、パソコンやHDDレコーダなどに搭載されるHDDのVCM(ボイスコイルモータ)です。HDDでは磁気ヘッドを取り付けたスイングアームの高速走査によって磁気ディスクへの書き込み・読み取りがおこなわれます。VCMはマグネットの磁束とコイルが生む磁束との作用によってスイングアームを動かす役割をにないます。
HDDの小型化とともに、VCMも小型で高性能のものが求められ、VCM用マグネットには強力なネオジムマグネットが不可欠です。VCMのみならず、磁気ディスクを高速回転させるフラットなスピンドルモータにも、ネオジムマグネットの粉末を樹脂に混合したプラスチックマグネットが使われています。ネオジムマグネットはハンマー投げ選手の鍛え上げられた筋肉にも似た、小さくてもハイパワーの高性能マグネットです。

偏心錘の重心は配転軸からずれているため、ブルブルという振動を発生させる。モータの小型化を図るため、内部のマグネットにはネオジムマグネットが利用される。

強力なネオジムマグネットは、HDDのVCMの小型・薄型化に貢献。スピンドルモータにもネオジム磁石粉末と樹脂を混合したプラスチックネグネットが使用される。

《ネオジムマグネットNEORECシリーズ》

TDKのネオジムマグネットNEORECシリーズは、長年にわたり蓄積した磁性材料技術と先進の焼結技術などを結集して開発された製品です。HDDのVCMや各種モータ/アクチュエータ、HEV/EVの駆動モータ用など、用途に応じた各種製品を豊富にシリーズ化して提供しています。希少で高価な重希土類(DyやTb)を含まない重希土類フリーのネオジムマグネットも開発しました。

ネオジムマグネットNEORECシリーズ
https://product.tdk.com/info/ja/products/magnet/magnet/neodymium/index.html

ハンマー投げ 競技概要(英語サイト)
https://www.iaaf.org/disciplines/throws/hammer-throw

TDKは磁性技術で世界をリードする総合電子部品メーカーです

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